「東京を生きる4女子物語」 kay me が贈る小説タイプの連載
東京に生きる4人の女性…4人の関係性を詳しく見る
ロンドン二日目。軽くジョギングをしてシャワーを浴びた後、朝食を済ませて仕事モードにスイッチを入れる。
ホテルのラウンジで、世界中から集まったクライアントと顔を合わせる。
「日本は何時だろう…」
ふと目をやった携帯のラインのマークを見て、マサがココにも気のある素振りを見せていたことを思い出した。昨日はもう何が何だかわからず寝てロンドン初日が終わったんだった。バーでのおぼろげな記憶を思い返しては、心にちょっと靄(もや)がかかる。
今日は日本から用意してきた着物からイメージした絵柄のワンピースを着た。ウエストのデザインは帯をイメージしている。グローバルな場では褒められることが多い。
ジャージー素材で伸縮性が高く、フィット感から生まれるセクシーさも海外では受けが良く、インパクトに繋がるからお気に入りだ。
小銭も分納でき、カードや名刺も分納できる収納力の高いウォレットバッグはクラッチとして使用。
気になる企業とは、ブースで直接商談に入る。私は、今回は世界のトレンドを知るためにロンドン入りしたけれど、色々な提案を受けて日本に持ち帰りたいというものもあり、すかさず、連絡先を交換した。
数社と面談をして、商談に移ったが選定はこれから。ほっと一息。ランチタイムに振る舞われたシャンパンで、喉の渇きをうるした。様々な人種が移り住んでいるロンドンは、仕事で来るたび解放感を得えられる。
「素敵なドレスですね」
急に声をかけてきた男性は、私のびっくりした表情を見てニッコリとほほ笑んだ。
ビルは紳士的な印象だった。仕事の話を丁寧にしてくれて、かつ私のお気に入りのドレスを褒めることを忘れないジェントルマンなところが私を気持ちよくさせた。
こういう場だから出会える人脈を広げて仕事に活かさなくっちゃ。世界でもっともっと仕事をしたい、そんな意欲が沸いた。さ、そろそろ部屋に戻って日本からのメールのチェックをしないと…。
そんな1日を過ごしているとマサのことはもう友だちで良いと思えた。確か女性コメディアンが「地球上に男は何人いると思ってるの?…35億」ってやってたなと思いだした。環境を変えて、私はもっと進化したい。その力は私にはあるはず。
今回のロンドン出張に感謝して、新しい一歩を踏み出した。
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