「東京を生きる4女子物語」 kay me が贈る小説タイプの連載
東京に生きる4人の女性…4人の関係性を詳しく見る
イベントの見学は(デートですけどっ!笑)私もIT企業の広報として勉強になった。
でもティーブレイクのとき「パンケーキ食べてるときのリサって可愛いね」ってマサが言うから…嬉しくなって思わず完食。その勢いに乗って帰りの車の中でハンドルを握るマサに小声で聞いてみた。
「これって、デートだったんだよね?」
「ん?なに?なんて言ったの」
音楽にかき消されたか。もう一回。
「私たちって、どういう関係?」
「お…リサちゃん。今それ、聞く?笑」
「でも、気になっちゃってて」
「えっとね…じゃ、それちょっと宿題でもいい?」
(なにそれーーーっ!)
即答できないわけ?でも、答えを急がないほうがいい、そんなふうにおしとどまって、平静を装って来週も会う約束をして別れた。
イベントデートから、相も変わらずマサとのラインは続いている。「おはよう」とか「おつかれさん」とか優しいのはいつものこと。でも私が聞きたい”宿題の答え”はまだだ。そしてついに金曜日。仕事をガンガン進めて、終わらせたら夜はマサが関わってるイベントに参加予定。「イベントの後、時間ある?」って聞かれて、もちろん返事はYES!
気合を入れて着て今日は赤いワンピース。 ヴィーナスのドレープをイメージしたこのデザインはエレガントなのにカラダのラインをX字に見せてくれるからちょっとセクシー。
「今日、なんかあるんですか?」って、会う人、会う人に聞かれたけれど(笑)
イベントに映えるようにバッグからストールを出して、華やかさを盛る。オシャレに抜かりがないように。途中でインフルエンサー友だちのココと待ち合わせする。
レースのジャガードストールは、インドマハラジャ王宮御用達の工房からkay me UKがセレクトしたもの。
レース、フリンジ、スパンコールやビーズと3層に仕上げられた1枚ですべて手作業。アクセサリーのうような華やぎを放つから、シーズンレスで使えるの。
ココと合流して渋谷のトランクホテルに向かう途中でマサからラインが入る。
「リサちゃん、今日来れる?」
「もちろん、向かっているよ」とハートの絵文字付きで返す。
すると、隣のココもラインしている。
「マサ君からだ、今向かっているよって返しといた」
(なに、ちょっと待って、ココにも?)
イベントが終わり、ココには「ちょっと用があるの」っていって別れてマサにラインをする。
「ホテルの前で待ってて」。返信から待つこと15分、マサがあらわれた。
すると、マサの後ろにココが。どういうこと?
「ココちゃんにも偶然そこで会ったから、ご飯でもって誘ったよ」どういうこと?頭、混乱なんですけど…。
「カンパーイ」… とは言ったものの、なんで3人なの?
頭の中は?(クエスチョンマーク)でいっぱい。
今夜はこないだの宿題の答えを聞けるんじゃなかったの?
用があるって言ってココと別れたのに。 バツが悪いよぉ。
1時間ぐらい、適当に飲んで解散した。ココとも仲がいいことがわかって、正直がっかり。バッグの中の携帯から着信音が聞こえる。サイドポッケから携帯を取り出して軽く見ようとしたが、やめた。きっとマサからだろう。今夜はそんな気分じゃない。楽しい恋愛はいいけど、わたしももう28歳。なんだか、ちょっと面倒な予感がするのはたぶん当たりだろう。来週もいろいろ仕事で忙しい。さぁ、家に帰ったら仕事の調べものして気分を切り替えよう。
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