「東京を生きる4女子物語」 kay me が贈る小説タイプの連載
東京に生きる4人の女性…4人の関係性を詳しく見る
日本に帰国して、時差ボケのまま、すぐ今回のロンドン出張の報告書をまとめなければいけなかった。
ボスは意外とせっかちで、ロンドン市場を知りたいとガンガン連絡が入る。私は今回の出張は思った以上に成果を上げられたことに満足していたし、それは私の自信にも繋がった気がしていた。
マサのことより今は仕事!そう決めたら、突然色々なことが回りだした。今日のチェリーピンクのカシュクールワンピースは今夜のためのもの。
高いウエスト位置から広がるフレアなラインが動くたびにスイングして女性らしい。
実は今夜は、ロンドンで声をかけてくれたIT企業の代表のビルが日本にやってくるというので会うことに。
ビルのリクエストは日本酒の名店に連れて行ってほしいということだった。ロンドン市場で新しいチャンスを探るボスも誘って今夜は、ビルをもてなす予定。楽しみ!
ボスへの報告の際に、今夜のビルとの出会いはロンドンの商談の席で着ていたワンピースを「KIMONOですか?」とビルが聞いてくれたのがきっかけだった、と伝えると「ワンピースが出会いをくれたんだね」と褒めてくれた。
そろそろ、出かける準備をしよう。ジャージー素材で着心地良い伸縮性が動きやすいワンピース、またビルは褒めてくれるだろうか。
バッグの中からパールネックレスを取り出して付ける。これをプラスするだけでかなり華やぐ。
レースのジャガードストールは、冷房対策にいいので持ち歩いていたけれど、コーディネートのポイントになるので手放せない。レース、フリンジ、スパンコールやビーズと細やかな仕事から生まれた繊細な美しさで、顔回りが一気に華やかになるから今日のような場にはピッタリ!
ロンドン出張でも活躍した、ウォレットバッグ。これをクラッチ持ちして、準備OK!
恋愛はうまくいかないこともあるけれど、仕事は裏切らない、今はそう思える。だからって恋愛に手を抜くつもりはないけれど、期待されている仕事を頑張れば、まだ見ぬ次のステージへ行ける気がする、そんな気持ちを突き動かしてくれるのは今日の可愛くも情熱的なチェリーピンクのワンピースのおかげかもしれない。
♪♪♪♪~出がけに携帯が鳴る。マサからのラインだった。「イベントがあるんだけれど、来ない?」
短く「行かない」って返事をしようかとも一瞬迷ったけど、そのまま削除した。私が生かされる恋愛をしよう。みんなも自分を大事にね!自信が魅力をつくるから。(おわり)
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