「東京を生きる4女子物語」 kay me が贈る小説タイプの連載
東京に生きる4人の女性…4人の関係性を詳しく見る

KY商社とのプロジェクトは問題なく進んだ。面白い内容に自分自身もワクワクしていたし、ユージの存在は日に日に大きくなっていった。いつも虚勢を張っていたところがあった私を楽にしてくれたのはユージだ。「お前はそういうところ、あるからな」と言われると、理解してくれる人が近くにいることの心地よさを実感せざる得なかった。

今日も、動きやすいうえに、カラダをキレイにカバーしてくれるニットワンピースでKY商社へ出向く。光沢感のある糸とストレッチ糸を組み合わせがテンションの高い編地でカラダにやさしくフィットして女性らしさを醸し出してくれる。さらに洗えるニットというところが秀逸。

デコルテを綺麗に魅せてくれ小顔効果のあるスクエアーネック、ウエストのペプラムデザインでお腹周りもカバー。

打ち合わせが終わり、KY商社のビルを出たところで、ユージが追いかけてきた。
「今日、オレ、車なんだけど送ろうか?」
「え、いいの?」
「こないだ、メシご馳走になっただろ。だから今日はオレが送るよ」

ユージの車に乗り込むと、すぐ懐かしい音楽が流れてきてた。
「ね、これStingの『Shape of My Heart』だよね、懐かしい!」
「おまえ、好きだったよな」
「そう、よく覚えてたねー」

「今日は、オレもう上がりなんだよ、このままドライブしよっか」
「え、私まだ、会社で仕事が残ってるんだけど…」
「明日でいい仕事は明日しろよ」
「じゃ…今日はドライブしちゃおっかな」。
経営者になって事業を拡大させはじめてから、日本人の男性からは積極的な態度を取られなくなって久しい(笑)「ユージ、なかなかやるじゃん」心の中でつぶやいた。
気が付けば逗子まで来ていた。

逗子マリーナに着くと、食事をすることになりホテルリビエラの「リストランテAO」に入る。食事の途中でまたもや取引先から連絡が入り席を外して電話で話していると、結局20分以上席を外すことに…。

「ごめん、ごめん。ちょっとトラブルでさ。」と席に戻ると、そこにはデザートプレートにHappy Birthday Naomiの文字が!
「え、誕生日、知ってたの?」驚いた顔をしていると、ユージが「うん、明日だろ」って笑って答えてくれた。「やだー。よく覚えてるね。だいたい誕生日とかなんで知ってんのよー」嬉しいのに、照れくさくてそんなことを言ってしまった。
「自分の誕生日も忘れるくらい、忙しくしているかと思ってさ(笑)」そんなユージの優しさが本当にうれしかった。きっと私は仕事にしか生きられない、先のことを考えすぎるのもやめた。でもユージのように自分を理解してくれる人が近くにいることに改めて幸せを感じた。「ありがとう」これからは自分にもっと素直になろう、またひとつ、歳を重ねることが楽しみな夜だった(おわり)
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