「東京を生きる4女子物語」 kay me が贈る小説タイプの連載
東京に生きる4人の女性…4人の関係性を詳しく見る
今日は英語教室が開催するキッズイベントのボランティアの日だ 。
週末の義父の誕生会はソツなく終わったが、切り出された同居のことで、頭がいっぱいだった。ダンナは「いい話じゃないか」と言うけれど、ママ友同士で盛り上がる愚痴のひとつに、義父母との付き合いが上がるが、同居でうまくいった話を聞いたことがない。返事を少し先延ばしにしてもらおう。
シフォンの軽い素材でふんわりとしたシルエットが優しい印象のロングワンピース。ロング丈が上品な雰囲気を醸し出してくれる。
今日のイベントは、私が通う英語教室の子どもたち向けのイベント。留学などに興味のある親子などが訪れて体験学習ができるのでとても賑やか。
私はそのイベントの運営スタッフのお手伝い。ママ友たちからも、このイベントに子連れで参加したいと言われたけど、誰を誘ったとか、面倒になりそうだったからやんわり断った。私とナナの親子留学という計画も、ママ友に知られたら、また何を噂されるかわからない(笑)
夏休みの親子での留学先はハワイにしようかと思っていた。でもマレーシアやシンガポールもいいと言われて迷っている。
英語をブラッシュアップして、いつか仕事に復帰したいと思っていた。手始めに親子留学は自分のためにもナナのためにも実行したい。語学を学ぶというより、様式や現地の雰囲気を体感することはとても大事だと思う。でも、この話、鎌倉の義父母が知ったらどう思うだろうか。
英語を学びながら楽しむ、という主旨のイベントは子どもたちにも、その親たちにも大好評に終わった。
ボランティアは、日々の色々なことをゼロにリセットできる時間になるから好きだ。結婚も出産も幸せなことだと思ったけれど、独身だったときには思ってもみなかったことに悩まされることが多い。好きな仕事ができた当時の私をいまさらながら羨ましいとさえ思った。
イベントは無事終わった。疲れたけれど充実し感もある。「ボランティア活動もいいけれど同居のことも考えてね」と義母の言葉を思い出す…。
少しご機嫌でも取ろうかなと、義母が欲しがっていたストールを見に銀座のケイミ―に寄ることにした。
繊細なレースがキレイなブルーのストール、私と同じものが欲しいと言っていた。ズケズケと思ったことを口にするところは苦手だけれど可愛いところもある義母。
そうだ、来月は義母の誕生日だからこれをプレゼントしよう。義母の誕生会は毎年、私が手料理を振る舞うことになっているんだけど、これまた面倒だ笑。そのときに同居についてちゃんと話そう。
「ただいまー」
家に帰るとナナとダンナがゲームをして笑う声が聞こえた。今日は、テレワークのダンナにナナのお迎えと家事を頼んだ。「いいよ」と嫌な顔をしなかったのは同居の話があるからかもしれない。けれど、ダンナの作った夕食が、今日の疲れを癒してくれた。「わーパパ上手だね!」というと、ナナも嬉しそうに「私の好きなパスタを作ってくれたよ♪」と私の帰りを待ちわびてお腹がすいたと笑っていた。幸せな夜だった。
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