「東京を生きる4女子物語」 kay me が贈る小説タイプの連載
東京に生きる4人の女性…4人の関係性を詳しく見る
その後、ユージの会社KY商社とは、 思った以上にうまくいっていた。 ユージからの情報が商談を有利にしてくれたこともあり、 今日はお礼もかねてユージをランチに誘った。スマホもペンも名刺もコスメも…なんでも入るウォレットバッグは、こういうビジネスランチには必携。シャンパンゴールドがおとなの華やかさをプラスしてくれる。このデザインを考えた人はきっとビジネスウーマンに違いない。
シャンパンゴールドに合わせたワンピースは、Vネックとパイピングがスッキリと見せてくれるウォッシャブルストレッチワンピ。上品で知的なイメージがあるからゴールドの小物と合わせても「行き過ぎ」にならない。お仕事の顔を演じさせてくれる強い味方。
ラップ風デザインだけれど、はだけずストレッチが効いていて動きやすいから、「早足ですね」とよく言われる私のグッドパートナーでもある。
メズム東京のシェフズシアターでフレンチを一緒しようとラインをしたら、即OKだった。
待ち合わせ時間ピッタリにユージがあらわれた。こんなにゆっくりとランチタイムを過ごしたのはどれくらいだろう…。
ゆっくりと景観を見下ろしながら、ユージと仕事の話、好きな音楽や旅の話をした。次に行きたい街の話や、プライベートでも意外とストイックな努力家の側面とか…大学時代はまだ学生だったから知らなかった今のユージを知って、「あれ…?この気持ちはなんだ??」。ちょっと惹かれてる自分に気が付く。
とりあえずお互い次のアポもあるからランチは終了。別れ際、「これからも、頑張るからちょいちょいよろしくね」とユージに言うと、「頑張りすぎるな、お前は昔から真面目だからなー笑。いつでも何でも相談しろよ」と返された。
そっか、イマドキの業界で自由に泳いでる感じのするユージの、実はあまり気づかれてない真面目さとか信頼がおけるところとか…。そのあたりのギャップに私は「男の色気」を感じているのかもな、と思う。
「恋愛の仕方なんて、随分忘れてたけど・・・多分、私はユージが好きだな」 ふとつぶやいて、「いかんいかん、でもこのプロジェクト中はゆるんだ顔を見せないこと!」と気合を入れる。
あと2か月の間は、この気持ちは自分の中に封印しよう。そう誓いながらお守り代わりにつけてきた幸運を呼ぶというロングのペンダントの「ヒトデ」ちゃんを思わずぎゅっと握りしめた。
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