「東京を生きる4女子物語」 kay me が贈る小説タイプの連載
東京に生きる4人の女性…4人の関係性を詳しく見る
週末、サロンに行ってオーナーのジェームスと軽くご飯を食べたのは意外な展開だった。ジェームスと仕事の話は初めてで、しかも海外進出の相談にも乗って欲しいという。ちょっと面白いことになるかも。さあ、今日は新しい取引先に営業に行くんだから、気合入れていこう。ブラックのワンピースでキリリと決めて、取引先に直行する。
このほどよい厚みの美しいドレープを描くジャージー素材は日本製らしい。フレアラインが上品でブラックは何かと使える。 ストレッチが効いてるから階段を駆け上がるのだって動きやすい。
早足で品川のオフィス街をすり抜ける。週末はぺたんこ靴の私も、気合をいれるときは仕事では7㎝。私のプライドみたいなもの。打ち合わせの時間10分前には到着しないと。
オフィスに駆け込むと「ナオミ?」と声をかけられて足をとめる。懐かしい声だ。「あれ、もしかしてユージ?!?!」
ユージとは大学が一緒。お互いに海外に留学してからはなんとなく疎遠になっていた。「懐かしいね、元気?」時間がないけれど、話したい気持ちが抑えられない。ユージも同僚と一緒だし、また今度、ゆっくり、と連絡先を交換して別れた。
ユージとの再会もつかの間、取引先の打ち合わせに鼻息荒く乗り込むと、なんとそこにユージが!「やだ、この会社にいたの?(笑)」わたしがプレゼンに訪れた部署の隣の部署だということが判明。「ウソみたいだな(笑)、頑張れよ。詳しいことはあとで話そうぜ」ひとまず、頭を切り替えて、事業提携の提案をプレゼンする。
一人で乗り込んでみたけど、こんなふうにいい感触は久しぶりだ。必ず形にしたい!仕事は頑張っただけ結果が表われるという訳ではないけれど、やっぱり裏切らないと思う。
ランチは思いっきりアメリカンなハンバーガーに齧り付きたい気分だった。週末のジェームスといい、今日のユージといい、仕事が最優先の私にとっては、久しぶりに男友達と気兼ねなく仕事の話ができるってやっぱり爽快。
ゲン担ぎで着てきたグレージュのジャケット、そしてカシュクールワンピースの組み合わせは私の背中を押してくれる勝ちコーデ。ポイントの柄バッグは書類もパソコンも入る優れもの。
とりあえず、ユージには今日の報告を入れておこうかな。
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