「東京を生きる4女子物語」 kay me が贈る小説タイプの連載
東京に生きる4人の女性…4人の関係性を詳しく見る

昨夜の接待はまあまあの出来だったと思う。予約したお寿司屋さんも気に入ってもらえたし、結論を急ぐのはやめてもう少しじっくり攻めていこう。今日は通勤前に自宅でひと仕事終えてた。いくら時間があっても足りない、そんな焦る気持ちを押えて会社に向かう。今日は、ブルー系のワンピースにしようと決めていた。ブルーはヒロシが好きな色。夜は久しぶりに二人でイタリアンに行くのだ。

今日はヒロシが予約してくれたから、楽しみ。待ち合わせは19時だよね、とだけ言い残して家を出たけど、ヒロシはまだベッドの中だった。ま、大丈夫か。ワインに合うオーガニックのオリーブやトマトが最高に美味しいと評判もチェック済。

「わかった、ちょっと時間ちょうだい」
夜のレストランの予定も考えて、今日は着心地がストレスフリーで、ドレープが華やかなこのワンピースにした。大人っぽい柄も素敵で、グリーンのパンプスとトーンを合わせる。

ストレッチが動きやすさをフォローするジャケットをONしてオフィスではパリっと行こう!

ネイビーのバッグはリュックにもなる2WAYタイプのもの。荷物がしっかりはいり、書類の角スレしない四角いフォルムがお気に入り。

スーツケースに固定できるから、出張などにも便利。キャリア女子の味方なのだ。

今朝の自宅でのひと仕事というのは、先日提出した企画書がいまいちで煮詰まっている件だった。そこで仕事で知り合った女性起業家で外資系コンサルティング会社出身のナオミに アドバイスをもらえないか…と メールを入れてみた。ちょっと厚かましかったかな 。
18時、ナオミから電話が鳴る!!「もしもし、ナオミさん、わぁ、お電話ありがとうございます!はい、そうなんです。ちょっと企画書のブレストにお付き合いいただけないでしょうか」その後、ナオミに30分以上相談してしまい…ヒロシとの待ち合わせの時間ギリギリになってしまった。

18時55分、銀座に到着。たしか、ここで待ち合わせ、って約束したはず。よし、間に合った。でもヒロシの姿はまだない。
19時、予約の時間になるもヒロシから音沙汰がないので連絡してみる。電話は鳴るけれど出る気配なし。
どうしたんだろう…とりあえずお店に向かうから直接来てとラインを入れる

初めて訪れたイタリアンレストランは満席の人気。入口で「いらっしゃいませ」と声をかけられて、名前を伝えると、「?」という表情を浮かべる店員。「あっ、ヒロシさまの奥様ですね?」予約はあるようだけれど、いまのリアクションは何?ひっかかるものを抑えて、ヒロシからの「仕事で遅れるから、先に1杯はじめてて」のメッセージを受けて待つことに。すると、先ほどの店員がオーダーを取りに来た。
何の気なしに「ヒロシはよく来るんですか~?」って聞いたら「あっ、はい、よくいらっしゃいます」と親し気に答えてくれた。いちいち文頭の「あっ…」ってのが気になる。気のせいか?
ん、ちょっと待って。ヒロシはココに良く来ているの?そんな話、聞いたことないな。え?誰と?…そういえばこないだ見かけたときに女性と二人で歩いているヒロシを思い出した。なんだか胸騒ぎがする。
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