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【起業家対談】
サキコーポレーション
創業者 秋山咲恵さん

後編:キャリアとファッション

kay meでは創業10周年の特別企画を実施しています。

今回はファウンダーの毛見が、サキコーポレーション創業者の秋山咲恵さんと対談しました。

こちらでは、その模様を2回にわたりお届けします。

後編では、グローバル市場に進出して感じたことや

キャリアとファッションの変遷、人生100年時代のビジョンなどについてお伝えします。

*前編を読む

前編「ピンチをチャンスに変える考え方」

毛見着用(左側)
◆ ラベンダークロスリンク ロングシャツワンピース
スマートストレッチ ネイビー ノーカラージャケット

秋山さん着用(右側)
◆ ネイビーフォックス×ブラック デコルテタックワンピース

グローバルな組織を動かす極意

毛見
毛見

サキコーポレーションは2000年代の初めに海外へ進出されましたね。
早くからグローバル展開をされて、その分様々なことを経験されたと思いますが
その時の苦労や発見など教えていただけますか。

まず前提として、起業当初からグローバルを
視野に入れていたわけではありませんでした。

しかし、事業を立ち上げた時期がちょうど製造業が日本から海外へ出て行く時代で
お客様の動きに合わせて私たちも海外へ進出しました。

恐らく皆さんもある程度イメージできていると思いますが、
日本から外に出れば、物の考え方も違えば、
働くことに対する考え方や価値観も全然違います。

私自身も最初は少し面食らって、どうすればこの人たちに
働いてもらえるのか悩んだ時期もありました。

そういうことを経て実感したのは、文化や考え方が違うことを前提にして、
「どこに折り合うポイントがあるのかを探ること」が大事だということです。

そして、その折り合うポイントはすごくテクニカルなことよりも、
結局みんな仕事は成功させたいし、自分も幸せになりたいということです。
そのためにはお客様やステークホルダーをハッピーにしなければならない。

だから、異なる部分はきちんと説明してある程度理解をしてもらった上で
私たちお互いにゴールは一緒だということを共有します。
そしてそれは社員だけでなく、お客様をはじめ
会社のステークホルダーに対しても大事だと、その経験から学びました。

お互いに「譲歩」することも大切

毛見
毛見

考え方の共有については、ご自身の信念や価値観は脇に置いて、
譲歩されることが多かったのですか?

そうですね。でもそれは実は、お互いに譲歩するのが大事なんですよね。
逆に、要求しあっているだけでは結論出ませんから。

ほとんどの仕事はタイムリミットがあって、どこかで結論を出さないといけない。
特に議論が平行線になった時は、自分の要求を主張しているだけでは、
決して結論にはたどりつかないわけですよね。

そうなるとお互いのメンツが立つ落としどころを探るのが、基本的な方針だと思います。
まずはそれがきちんとできるのが第一歩ではないでしょうか。

秋山さん着用(右側)
◆ ネイビーフォックス×ブラック デコルテタックワンピース

女性リーダーが身につけたい心構え

毛見
毛見

時代の流れもあり、もともとマイノリティだった女性の方々が
トップに立つケースが増えなければならない状況にあると感じます。
私から見ると、秋山さんはその先駆者であり、経済界からも愛されていらっしゃいます。

もし私が秋山さんのようになりたいと思った時に、
どのようなアドバイスをいただけますか?

私たちの世代は大学の卒業時に男女雇用機会均等法が適用された最初の世代でした。
そういう意味では、確かにパイオニアかもしれません。

その上で、マイノリティーだからもらえなかったチャンスもあれば、
逆にマイノリティだからこそ、もらえたチャンスもありました。
そういう意味では、私は恵まれていました。

一方で、チャンスが与えられなかったと感じることは、
マイノリティだったからこそ感じたのではと思います。

先ほど海外進出した際のお話をしましたが、現地のメンバーが怒ったり
主張するのは、自分たちがマイノリティだと感じるからかもしれません。
そういう意味では、マイノリティとマジョリティの感覚の違いは、
国や地域を問わず共通しているのではないでしょうか。

それを踏まえてお伝えできることがあるとすれば、
「相手を否定するところから始まったら、何事もうまくいかない」ということです。

マジョリティになるには「覚悟」が必要

私たちはずっとマイノリティでしたが、
今はマジョリティになりなさいと言われている時代です。

マイノリティだったら政治の世界における野党なので、
政権をとっていないから批判も簡単にできるし、文句も簡単に言えます。
しかし、一度自分たちが政権を取る=マジョリティ側になって
引っ張る側に回った時、その態度はやっぱり通用しないと感じることもあります。

また、マジョリティになったからといって、これまで一生懸命やってきた人たちを
全て駆逐して排除してしまうことは、誰も望んでいないことだと思うんです。

だからこそ、現在マイノリティの人たちは、きちんと「責任と覚悟」を持って
マジョリティになるのが、これから求められると思います。

毛見
毛見

ダイバーシティ・インクルージョンとは、
そこも含めてインクルージョンするのが大事ということですね。

秋山さん着用(右側)
◆ ネイビーフォックス×ブラック デコルテタックワンピース

キャリアとともに変化するファッションへの価値観

毛見
毛見

ところで、秋山さんはキャリアを重ねるごとに、
ファッションに向き合う考え方にも変化があったのでしょうか?

ありましたね。
働き始めた当初は、やはり「憧れ」で洋服を選んでいたように思います。
私が働き始めた頃がバブルの末期だったというのもありましたが、
あんな洋服が着られるようになりたいという気持ちが強かったです。

しかし、徐々にキャリアを重ねて経験を積むと、買える洋服も変わってきます。
そして、今度は「この洋服に見合う自分にならなければいけない」と思うようになります。
そうすると面白いことに「自分の内面に矢印が向いて己を磨くようになる」のです。
そうやって自分らしさが形成されて、周囲からの印象も変わってきたように感じます。

この次のフェーズが「着ていて”ラク”か」という基準に変わりました。
フィジカルだけでなく、メンタルでも無理をせずに着られるのは、
特にビジネスシーンで自分らしさを出すためには重要だと思います。

秋山さん着用(右側)
◆ ネイビーフォックス×ブラック デコルテタックワンピース

◆ エンジェル カシュクールワンピース

人生100年時代を見据えた今後のビジョン

毛見
毛見

最後に、秋山さんの今後のビジョンを教えてください。

今、人生100年時代と言われていますが、
その時代をこれから生きる上で大事なのは「現役で居続けること」だと思います。
自分がこれから社会とどう関わり、役立っていくか
というポイントに力点を置いて考えていきたいですね。

昔からよく言われることですが、目の前にある仕事を一生懸命やっていると
それが必ず身につきます。そのシーンは職場かもしれませんし、家庭かもしれない。
そうやって経験を積むことで、新たな景色が見えて
ビジョンも見つけられるかもしれません。
私も社長を引退して、まさに今、この段階にいます。

今までどちらかというと、私はビジネスにフォーカスしてきました。
しかし、これから時代が大きく変化しますし、その流れを見ながら自分の心が動く、
ここに自分のエネルギーと時間を注ぎ込みたいと思えることに取り組みたいです。

毛見
毛見

秋山さんのお話を聴いて、すごくワクワクしてきました。
本日は素敵なお話ありがとうございました!

毛見着用(左側)
◆ ラベンダークロスリンク ロングシャツワンピース
スマートストレッチ ネイビー ノーカラージャケット

秋山さん着用(右側)
◆ ネイビーフォックス×ブラック デコルテタックワンピース


毛見着用(左側)
◆ ラベンダークロスリンク ロングシャツワンピース
ネイビー ノーカラージャケット

kay me株式会社代表取締役/リードデザイナー 毛見純子

早稲田大学卒業後、ベネッセコーポレーションにて学校法人の営業およびマーケティング職に従事。その後Pwcにて組織人事コンサルタント、ボストンコンサルティンググループで経営戦略コンサルタントに従事。2008年マーケティングコンサルティング会社を立ち上げ、代表に就任。2011年kay me事業を開始。 2016年日本政策投資銀行「DBJ女性起業大賞」、2015年英国商業商工会議所「2015アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」などを受賞

秋山さん着用(右側)
◆ ネイビーフォックス×ブラック デコルテタックワンピース

株式会社サキコーポレーション ファウンダー 秋山咲恵
京都大学法学部卒業後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)を経て、1994年に株式会社サキコーポレーションを創業、2018年まで代表取締役社長を務めた。2019年にソニー株式会社、日本郵政株式会社、オリックス株式会社の社外取締役に就任。2020年6月、三菱商事株式会社 取締役に就任。起業×先端テクノロジー×グローバル×製造業×女性の経験から、公職はじめ多くの仕事にコミット。

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