前編では、13歳で芸能界に入り、ゲーム好きの声優として活躍。20代で声優を養成するためのスクールを開設、そして30歳で芸能事務所を立ち上げるまでの経緯をうかがいました。
後編では、現在30名の声優を抱える事務所の代表としてタレントのオーディションに立ち会ってきた立場から、日頃、声優志望の皆さんに伝えている「大勢のライバルの中から選ばれるためのTIPS」をうかがいます。
【自分の魅力を伝え、実力を発揮して選ばれるためのTIPS】
声優はオーディションで、台本を渡されてその場で演技を見せることがほとんどで、「直前に渡された台本にさっと目を通して、ストーリー、作品の世界観を把握し、キャラクターの人格、感情などを即座に解釈し、その場で表現する必要がある」のだとか。
さらに演出家から出される「柔らかい雰囲気で」「もっと尖らせて」など要望に素早く対応するためには、「何を求められているのかを瞬時に理解する勘の良さも欠かせない」とのこと。
「オーディションに臨む人たちは、当然ながら一生懸命スキルを磨いてきています。みんな高いレベルで差がつかないかもしれない。でも、他の人とスキルが同じであれば、差がつくのは、『豊かな感性』『理解力』『表現力』なんです」と小百合さん。
美声、演技、歌唱力を集約させた「声優」への挑戦
「もちろん、そのどれも一朝一夕に育つものではありませんし、近道は存在しません。日々さまざまな人に会い、本を読み、多様な経験をすることが大切です」だといいます。
例えば……
「それまでは選んでこなかったものにあえて挑戦してみる。例えば1日の過ごし方なら『朝1時間早く起きてジョギングする』『通勤電車の中でポッドキャストを聴く』『お昼休みに中国語のレッスンを受ける』『寝る前に本を読む』など、いつもと違う習慣を取り入れてみるとか」
「いつもは推理小説しか読まない人も、恋愛ものに挑戦してみるとか。洋服をネットではなくお店に買いに行ってみるのも1つです。お店の人のアドバイスに従って、いつもは選ばない色や形の洋服を試してみるのもいいですね」
というのも、 「人は、つい好きなことや得意なことばかりやってしまいがち。『いつもこれだから』『楽だから』と同じことをしていても、新しい発見はないし、成長もできません。
無難に暮らしていては面白みを感じません。面白みがない人はまた会いたいと思われません。新しいものを受け入れ、挑戦することで自分の可能性が広がります」という小百合さん。
TIP 2) 実力を発揮するためには「120%の準備」をする
オーディション当日は、プレッシャーや緊張もあって、「実力を100%発揮できる」人は少ないもの。でも審査をする方も、プレッシャーや緊張は織り込み済み。「パフォーマンスを左右するのは、十分な準備をしたかどうかにかかっています」という小百合さん。
「練習をしないままでは自分の魅力を最大限に伝えられませんし『仕事に対する熱意がない』と思われてしまいます。そもそも練習不足の状態ではオーディションに臨む資格もないと考えています」

さらに 「普段、目指している努力の量が100%なら、おそらく本番では70%くらいしか出せないでしょう。普段から120%を目指すこと。そうすればたとえ予期せぬハプニングがあったとしても90%は出せます。
緊張しない人は、当日までの練習をこれでもかというぐらい行っています。練習を重ねることで、『これだけやってきたんだから、大丈夫』と自信が持てる。緊張しない人は、緊張しないぐらい準備をしているのです」とのこと。
それでも緊張して、当日に実力を発揮しきれそうないという人に対しては、
「当日出された課題を『難しい』と感じても、途中で投げ出すことなく1つ1つ丁寧にクリアしましょう。最後まできちんとやり遂げたら、仮にいい結果を得られなかったとしても悔いを残すことなく、その経験が財産となって次につなげられます。自分で可能な限りやってそれでもだめだったら、その事実を受け入れるしかありません。1回1回を学びのチャンスにして前に進んでいきましょう」
TIP 3)やりたいことは、自ら手を挙げ、伝える

「芸能事務所に所属したからといって、自動的に仕事が入ってくるわけではありません」
よほど活躍している人でない限り、1人のマネージャーさんが同時に大勢のタレントを担当しているのだそう。
「他のタレントも、みんな才能があり、容姿に恵まれ、成功への夢を抱いている人たちばかり。埋もれたくないなら『こういう仕事がしたい』とマネージャーに自分から伝えていくことが大切です」とのこと。
小百合さん自身も「こういう仕事をやりたいので、ここに売り込みにいってください」と直接マネージャーさんに伝えて営業に行ってもらっていたそうで、「声を上げないと埋もれたままで終わります」という小百合さん。
さて、前編でアメリカのゲームショウに単身で乗り込んだという話をご紹介しましたが、ここでもう少し詳しくお聴きしてみました。
海外でのビジネスは「フラットな関係」にチャンスあり!

20代にアメリカで開催されていたゲームショウに参加していたのは、「とにかくゲームが好き!」「新作を見たい!」という個人的な興味や好奇心が大きなモチベーションだったそうですが、声優のマネジメント事務所を立ち上げてから現地に赴く目的は、ずばり「営業のため」。
「2年ほど前、中国・上海で開催されたゲームショウに出かけて、すでに仕事に結びついた案件もあります。ここ数年、中国で開発されたゲームが日本にも次々に進出してきています。中国国内向けのゲームでも日本の声優は非常に人気が高く、日本人の声優を起用するということが中国国内のゲーム市場への大きなアピールになるんです」とのこと。
「ゲームショウの会場では各ブースを回り、現地のゲーム会社の方にご挨拶します。そこで『御社のゲームを日本で発売する予定があれば、弊社声優で音声収録ができます。是非お任せください』と売り込むのです」
とはいえ、小百合さんは、英語も中国語も勉強中の身。どのようにコミュニケーションを取っているのでしょう。
「体当たりです(笑)。会話でのやり取りは難しくても、メールアドレスさえ入手できれば、後は単語を調べながらやり取りできるんです」と笑います。
「日本でのビジネスは、うちは大手さんのネームバリューや実績には勝てません。でも海外では、最初からフラット。小さな事務所でも話を聞いてもらえるチャンスがあることは大きいですね」。
現在小百合さんの背中を押すのは、「声優として活躍したいと一生懸命努力を重ねているみんなの喜ぶ顔が見たい」一心なのだとか。
「動けば必ず得るものがある。行動あるのみ!これからも海外へどんどん出て行って、仕事がしたくてウズウズしている声優たちが活躍できるように頑張ります」
私へのプレゼントは、絶対kay meにしてね!
kay meと小百合さんとの出会いは、友人からのプレゼントでした。
「洗濯しても形が全然崩れないよ」と手渡されたワンピースは、初めて袖を通した瞬間から着心地の良さにびっくり」
アニメ『ルパン三世』のマドンナ・峰不二子ちゃんに憧れているという小百合さん。
「身体のラインがキレイに出る洋服を探していたんです。その点、kay meのワンピースは、知的でありセクシーでもある。女性らしいフォルムがなんといっても素敵で、最初の1着で『これだ!』って(笑)」
それ以降、周囲の人が何かプレゼントしてくれるというときは、迷わず「kay meのワンピースがいい!」と答えているそう。
kay meの良さは日中の「きちんと感」と夜の「華やかさ」を1枚で両立できること
「普段から社長業としてkay meのワンピースにジャケットスタイルが多いです。国際的な仕事もしているのでそういうときはお着物アピールとして『和柄』のワンピースをチョイスします。
kay meと出会う前は、午前中は普通のスーツで仕事をし、夜、会食があるときは華やかな洋服に着替えるために一度自宅に戻ったりしていました 。 kay meと出会ってからは、日中はスクールの指導や打ち合わせでもきちんとした印象が保てるし、夜、約束がある日もkay meならそのままでOK。昼も夜もどちらでもいけます。ONもOFFもばっちりな洋服って他にありませんよね」とのこと。
小百合さんによると「美しい声、素敵な声は、豊かなライフスタイルをもたらす」とのこと。社長、講師、そして現役の声優として活躍する小百合さんにとってkay meがなくてはならない存在であり、日々の暮らしをより美しく輝かせる存在であることを誇りに思います。
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