プリントアートの旅

Harvest

「収穫の喜び、恵み」をコンセプトとした秋のリリースにふさわしい「ハーベスト」シリーズ。

オリジナルのプリントデザインから「ゴールド」「ネイビー」「ライラック」とバリエーションが増えていく過程をお見せしていきます。

ロンドンから届いた最初の原画はこちら。優しい雰囲気で「秋」を感じさせるものではありますが、完成形の「ゴールドハーベスト」と比較すると全く雰囲気が違うことに驚かれるかもしれません。

ゴールドハーベスト ギャザーワンピース

カラーシミュレーションの一番バッターは、ネイビー。
この柄に見覚えのある方もいらっしゃることでしょう。それもそのはず、こちらの1つ前のデザインバージョンは「アイリス ファーストクラスパーカー」に使用されたものです。

パーカーをお求めいただいたお客様から「同じようなデザインでワンピースもあったらいいのに!」というお声をたくさんいただき、今回ワンピース用にデザイン開発をはじめました。葉っぱのグリーン、フラワーモチーフのグラデーションが美しいプリントは、フラワー部分にホワイトが混じっていることで、柄全体が立体的に見えますね。

ネイビーベースでカラーシミュレーションを繰り返します。葉っぱの色も微妙に異なる点にも注目です

まずは元のプリントに少し黄色みを増やして、ネイビーの反対色に近づけてみました

葉っぱの色も少し黄色みを帯びたものに

次に青みを足すことで、グリーンが少し濃くなり、より瑞々しい印象になりました。

グリーンが少し明るくなっているのですが、気付かれるでしょうか。

ブルーのベースにパープルと水色を加えたことで、メリハリが出ました。

葉っぱにブルーが加わって黄緑になり、さらに瑞々しい印象に。

次にフラワーの色を少しグリーンにしてみました。エメラルドのようなグリーンが垣間見えてグラマラスですね。

そして最終的にこちらへ。

葉っぱも含めて、全体的にイエローを効かせ、フラワー部分は、背景の濃いネイビーから浮き上がってみえるように明るめに仕上げました。

ロゴは、白い花のグレーの部分の色を使うことに決定。

ネイビーハーベスト ギャザーワンピース

シルバー箱型ポーチ

イメージしたのは夕暮れ間近、黄金の稲穂がそよぐ光景。「恵み」や「豊作」を表すゴールドの世界観をいかにワンピースで着れるデザインに近づけるか。デザイナー毛見は目をつむってその景色を創造し、グラフィックデザイナーへ伝えていきます。

17色使われているこのデザイン。
1つ1つの色の違いでまったく印象が異なります

まずは地の色。少し強めのイエローです。 フラワーはパープルとネイビーにしています。

イエローとパープルという反対色にすることで、モチーフが浮かび上がり、美しいフラワー柄だけが目立つようにしてみました。

このとき脳裏にあったのはフランスの画家、ミレーの「落穂ひろい」。少し何かが足りません・・・

ベースのイエローを温かみを感じるマスタードイエローに変更。

太陽の温かさを感じるこのイエロ―は、まるで熟した麦の実が美しい黄金色に輝く畑、まさに「実り」を連想させてくれます。

次に、フラワーモチーフをレッドに寄せたものも検討しました。

これも華やかさがあって素敵ですが、少し離れたところから柄全体を見てみると、レッドが地のイエローになじんでしまうことに気づきました。

フラワーとベースのコントラストを出し、着る人をよりスリムに見せるために、フラワーには青みを足すことに決定

最後に「kay me」のロゴの色を決めます。

ホワイトとグレーの2色で比較し、向かって左側のホワイトで決定!

ゴールドハーベスト ギャザーワンピース

「ハーベスト」最後のカラーシミュレーションは、ライラックです!

このネイビーのイメージを保ったまま、パープルになじませてみたのが次のものです。

ブルーがかった葉っぱとフラワーモチーフ。葉っぱは、4月の爽やかな新芽のような初々しさを感じます。このままでもとても美しいのですが、葉っぱの存在感が少し目立ちます。

kay me では、「絵」として美しいことと、身にまとってみて統一感があり身体を引き立てる絵は異なると考えています。そのため常に鏡の中で確認をしながら、微妙な調整を繰り返していきます。

葉の色を少しダークにしてみました。しかし全体的にやはりベースカラーとフラワーのなじみに違和感が残ります。

次は印象をがらっと変えてパープル×ピンクにもトライ。葉っぱの色はグリーンイエローでフレッシュさを表現。

フラワーからも葉っぱからも溢れる生命力を感じると同時に、ベースとフラワーの調和も良い。 「鏡の中でのチェック」も合格してこちらに決定!

決定の前にもう1つ。全体の彩度をかなり落として、地のパープルになじませたものもご覧いただきましょう。

先ほどのパープル×ピンクも含め、葉っぱの色に少し「イキイキ」したエネルギーが感じられないのと、少しカントリー調が強すぎるので、こちらは結局却下となりました……。

決定した色のプリントに入れるロゴの色を決めます。ホワイトと……

ブラウンの2色で検討。最終的に「ハーベスト」のテーマにのっとりアースカラーのブラウンに決定!

「やっとここまで到達!」と思ったのも束の間、ここで新たな問題が……

「紙」で確認した最終決定された色だったのですが、実際、ジャージ―プリントに乗せて色確認をすると・・・

このように。①グラフィックで決定した色、②紙で試作してみた色、③実際に服地に乗せたときの色は、服地の組成(どんな素材が何パーセントづつ入っているのかなど)の違いもあり、精緻な予測はむずかしいのです

実際、どのアイテムも、たとえ無地のものであっても、染色工場さんへの色の指定のあと、服地に乗せて出来上がってきた色調を確認し再度、最終原画に近づけるよう染色工場さんとのやり取りが始まることが常なのです。

さてさて最終的に、紙のサンプルにあわせて布地の色を作りなおしたのがこちら。

ライラックの長い旅路もこれにてようやく終わりです。

ライラックハーベスト ギャザーワンピース

パっと見ただけではわからないディテールにまでもこだわって洋服作りをしている真剣な思いがすこしでも伝わりましたらうれしいです。

そしてこの「ハーベスト」が心の豊かさを感じていただける存在になれたら幸せです。

「ハーベスト」のプリントワンピースを詳しく見る

同じデザインのzoom 背景も作成しました。こちらからダウンロードできます。

Vintage Flowers

Vintage Flowers

イギリスの美術館で目にしたヴィンテージ図案にインスパイアされたプリント。オリジナリティを追求すべく、手描きでアレンジしました。

Tsubaki

Tsubaki

今回は花札にインスパイアされた和テイストのプリント。日本の伝統色を使い、筆で描いたようなべた塗りに仕上げました。気軽に着用できる着物ワンピースがレッドとブルーの2色に決定するまで、さまざまなカラーを検討しました。

Shepherd Check

Shepherd Check

爽やかな差し色がきらりと光る「シェパードチェック」プリント。

Pine

Pine

水彩で描かれた幾何学模様のプリントの名は「パイン」。日本のおめでたい「門松」からのインスピレーション。

Pinwheel

Pinwheel

理知的な印象のジオメトリックプリント、「ピンホイール」。 ピンホイールとは「風車」という意味。また、「手裏剣」のインスピレーションも少し取り入れています。染めは京都の伝統技術によるものなので、使用するカラーも少し「和」の色を意識しました。レッドとブルーの2色に決定するまで、こちらも様々なカラーのピンホイールを検討しました。

Flower Bouquet

Flower Bouquet

春夏を彩る「ポップ」な絵をということで、ロンドンで描いてもらったこちらの「ブーケ」シリーズ。

Angel

Angel

「無垢」「イノセント」を表し、聖なる気持ちになれるエンジェルプリント。

Fuji Murasaki

Fuji Murasaki

「着物」からインスパイアされたラインは、日本のみならず世界中から支持されています。

Lotus

Lotus

まさに「アートをまとう」を具現化したデザイン「ロータス」。華やかにもワイルドにもおすすめです。

Elegant Bouquet

Elegant Bouquet

ロンドン生まれのデザインで、一段と華やかなシーンにと考案されたアイコン的なドレスがこの「エレガントブーケ」。

Elena

Elena

kay me はもともと呉服から来る「花鳥風月」がプリント図案の世界観のベースにあります。創業以来、数々のフラワープリントも生み出してきました。

Rice Shower

Rice Shower

結婚式で、木漏れ日の間をきらきらと舞うライスシャワーのように、幸運や豊潤を込めたデザイン「ライスシャワー」。

Emerald Flower

Emerald Flower

南国の花がやさしく華やかなエメラルドグリーンのフラワープリントは、ロンドンで創られたプリントです。

Lemon

Lemon

太陽の恵みをいっぱいに受けたようなレモン柄は「フレッシュ」なイメージそのもの。

Dots

Dots

ドット柄は、いつの時代も世界の東西を問わず見る人に「ロイヤル」「誠実」「イノセント」などさまざまな印象を与える不思議な柄。英国王室のキャサリン妃や故・ダイアナ妃も水玉好きで知られています。

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